シャドウコピーが削除される原因と対処法
困っていること
Amazon FSx for Windows File Server で取得していた、シャドウコピーがすべて削除されていました。
原因と対処法を教えてください。
どう対応すればいいの?
原因
前提として、ドキュメント 記載の通りすべてのシャドウコピーが削除される可能性があります。
その様な観点からも、シャドウコピーには AWS から推奨される要件があります。
以下の要件が不足していないかご確認ください。
- FSx ファイルシステムにおけるシャドウコピーを利用する場合、HDD ではなく SSD を使用しているか
- 設定されているシャドウコピーストレージ量の最大容量に "加えて" 少なくとも 320 MB の空き容量があるか
- I/O オペレーションの速度に対応できない場合が存在したか
・ワークロードのニーズに合わせて、ファイルシステム上に十分なパフォーマンス容量プロビジョンを提供していることを確認します。Amazon FSx は、Microsoft Windows Server によって与えられたシャドウコピー機能を提供します。設計上、Microsoft Windows では、最新のシャドウコピーポイント以降の変更を記録するためにコピーオンライト方式が使用され、このコピーオンライトアクティビティでは、ファイル書き込み操作ごとに対して最大 3 つの I/O 入出力オペレーションが発生する可能性があります。Windows が 1 秒間に入力される I/O オペレーションの速度に対応できない場合、書き込み時コピーを介してシャドウコピーを維持することができなくなるため、すべてのシャドウコピーが削除される可能性があります。したがって、ファイルシステムのワークロードのニーズに十分な I/O パフォーマンス容量をプロビジョニングすることが重要です (ファイルサーバーの I/O パフォーマンスを決定するスループット容量のディメンションと、ストレージ I/O パフォーマンス を決定するストレージタイプと容量の両方)。 ・シャドウコピーを有効にする場合は、通常、シャドウコピーを維持するために Windows の方が高い入出力 I/O パフォーマンスを消費することと、HDD ストレージが入出力操作の I/O パフォーマンス容量が低いことを考慮して、HDD ストレージではなく SSD ストレージで設定されたファイルシステムを使用することをお勧めします。 ・ファイルシステムには、設定されているシャドウコピーストレージ量の最大容量に加えて、少なくとも 320 MB の空き容量が必要です (MaxSpace)。例えば、シャドウコピーに 5 GB の MaxSpace を割り当てた場合、ファイルシステムには、5GB の MaxSpace に加えて常に少なくとも 320 MB の空き領域が必要です。 ・シャドウコピーのスケジュールを設定する際は、データの移行時またはデータ重複排除ジョブの実行がスケジュールされているときに、シャドウコピーをスケジュールしないようにしてください。ファイルシステムが動作停止状態になることを想定される場合は、シャドウコピーをスケジュールする必要があります。
対処法
HDD から SSD へ変更
SSD への変更はバックアップからリストア時に変更可能です。
ストレージ容量の追加
シャドウコピーストレージ量の最大容量を確保できるように変更してください。
ファイルシステムのスループット容量を、予想されるワークロードの 3 倍の値増加
例えば、対象 EFS の CloudWatch において、FileServerDiskThroughputUtilization が100% になった時間がある場合などは、 以下を参考にご対応ください。
データの移行時またはデータ重複排除ジョブの実行を避ける
I/O 負荷軽減の観点にてシャドウコピーのスケジュール設定として、データの移行時またはデータ重複排除ジョブの実行を避けてください。
シャドウコピーのスケジュールを設定する際は、データの移行時またはデータ重複排除ジョブの実行がスケジュールされているときに、シャドウコピーをスケジュールしないようにしてください。ファイルシステムが動作停止状態になることを想定される場合は、シャドウコピーをスケジュールする必要があります。
補足
ファイルごとのリストアに対応した一時的なバックアップとしてシャドウコピーを、より確実性の高いバックアップとして FSx の標準バックアップをご利用いただくなど適宜使い分けしてください。
シャドウコピーは、バックアップの代用にはなりません。シャドウコピーを有効にする場合は、必ず定期的なバックアップを継続して実行してください。
なお、シャドウコピーの仕組みにつきましては Microsoft 社のドキュメント をご確認ください。